愛媛に出かけることになったのですが、その話を四国出身の知人にしたら「伊予の濱田屋へ行け」というRPGみたいなアドバイスを受けました。面白いかつ丼を食べさせてくれるらしいです。というわけで、足を伸ばして行ってみます。伊予鉄の郡中という駅のそばにあるらしいです。
訪ねてみると、その店構えのすごさに驚きました。いつの建物なんだろう。これまでソースかつ丼を食べに入った店では、間違いなく一番歴史を感じさせる店です。
「カツ丼」を頼むと「玉子なしでいい?」と念を押されました。高崎の栄寿亭を思い出します。このパターンはソースかつ丼を扱う店に多いんですよね。メニューには「カツ丼」と「カツ丼玉子入り」がありました。もちろん頼んだのは「玉子なし」。
メニューに書かれた値段は700円。ただ精算するときは650円になっていました。なぜ引かれたかは分かりません。ランチタイムだからかな。
出てきたかつ丼を見ると、かつにソースがかかっているようには思えません。
以前の失敗談が頭に浮かびます。
食べてみても、かつには味がついていないように思えます。もしかして、どんぶりにのせたかつにソースをかけて食べるタイプなのでしょうか。でもテーブルの上にソースはないし。
■ごはんへのソースのかかりかた
カツを持ち上げてごはんを見てみると、ソースがきちんとしみていました。
最初はかつの衣と油がごはんに染みこんでいるのかなと思ったけれど、丼の底までしっかりソースが染みています。つまりかつはあげたものをそのままのせて、下のごはんにソースをかけているということのようです。
伊予市の「広報いよし」2012年1月号に由来が載っていました。
「4代目である父は、カツ丼の存在を知り、でも具体的にはどのようなものか分からず、『天丼は天ぷらが載っているものだから、カツ丼も同じようにトンカツを載せるのだろう』と、うどんつゆのカツ丼を考えついたようです」(6代目店主、濱田芳雄さんのお話)
「4代目である父は、カツ丼の存在を知り、でも具体的にはどのようなものか分からず、『天丼は天ぷらが載っているものだから、カツ丼も同じようにトンカツを載せるのだろう』と、うどんつゆのカツ丼を考えついたようです」(6代目店主、濱田芳雄さんのお話)
昭和30年頃の話だそうですが、少なくとも愛媛県ではまだカツ丼は一般的じゃなかったんですね。
天丼をイメージしたそうですが、ごはんにしみたソースの味は甘くて、ちょっとうな重を思い出させます(そういえば桐生の志多美屋も元はうなぎやだったんだよなあ)。シンプルで、すごくおいしい料理でした。
さて、これはソースかつ丼なのでしょうか。
以前あげたこのサイト的なソースかつ丼の条件は以下の2つです。
(1)お店のメニューに「ソースかつ丼/ソースカツ丼」と記載されている。
(2)丼の上に液体もしくは半液体の調味料がかけられたかつがのっている。
このカツ丼は厳密な意味でこの条件には当てはまりません。料理名は「カツ丼」だし、かつにソースはかかっていません。
でも、最近、ソースかつ丼のおいしさの本質は「ソースのしみたごはんにある」という気持ちがどんどん強くなっているんですよ。そう考えると、ここのソースのしみたごはんのおいしさは素晴らしい。というわけで、特例として(笑)、濱田屋のカツ丼を「ソースかつ丼」として勝手に認定したいと思います。
ちなみに「広報いよし」2012年1月号によると「卵ありも選べますが、とじるのではなく載せるので、サクサクは変わりません」とのこと。次に行く機会があったら、そちらを頼んでみますか。
ちなみに「広報いよし」2012年1月号によると「卵ありも選べますが、とじるのではなく載せるので、サクサクは変わりません」とのこと。次に行く機会があったら、そちらを頼んでみますか。
[2015年5月12日訪問]
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